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T−3 収支相償を満たさないときに考えられる対策

収支相償に適合しないときに、考えられる対策は2つに大別できます。

 

1つは、すでに発生した公益目的事業会計の当期経常増減額の計算で生じた剰余金を翌年度以後に繰り延べて、将来の公益目的事業に使用する方策です。具体的には、次の方策があります。
@剰余金を直接翌事業年度に繰り延べる方法(前掲)
A特定費用準備資金を活用する方法
B資産取得資金を活用する方法
C公益目的保有財産を購入又は積立てる方法

 

もう1つは、より抜本的な対策として、事業の収支構造を見直して、公益目的事業会計の当期経常増減額の計算で剰余金が生じないように変革を図るものです。具体的には、次の方策があります。
@会員規程の見直しによる会費及び入会金の充当先(事業区分)の変更
A指定正味財産として受け入れる寄附金の設定
B退職給付規程の新設等による引当金の創設
C消費税等の未払計上の実施
D複数の公益目的事業の事業区分の統合
E公益目的事業の事業対価の引き下げ