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[2]A 棚卸資産の計上

 棚卸資産とは、出版業を行う場合における書籍のように販売用に保有している在庫のことを指します。棚卸資産は、事業年度開始時の在庫を当年度に全て販売したと考えて仕入高(費用)に計上し、事業年度終了時の在庫については売れ残りであるため仕入高(費用)から除外する処理をしなければなりません。棚卸資産の期末在庫の単価については、取得価額をもって貸借対照表価額とするが、時価が取得価額よりも下落したときは時価をもって貸借対照表価額とすると定められています(20年基準 第2-3(4))。

 

【仕訳例:収益事業等の期首に保有していた在庫書籍を費用に振り替える。】

 

 (収益事業等会計) (借)期首在庫棚卸高×××/(貸)棚卸資産×××

 

【仕訳例:収益事業等の期末に売れ残った在庫書籍を資産計上する。】

 

 (収益事業等会計) (借)棚卸資産×××/(貸)期末在庫棚卸高×××

 

 棚卸資産には、販売用に保有している在庫以外として、事務用消耗品についても在庫を計上することがあります。ただし重要性が乏しい事務用消耗品については、その買入時又は払出時に費用処理する方法も採用できる(20年基準 注1)ので、そのように処理する法人が大多数と考えられます。