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[2]決算整理の手順

 公益社団・財団法人の決算整理にあたっては、その手順を十分に理解すすめる必要があります。手順を理解せず、これを間違えると、20年基準の決算は適正にはできません。

 

 具体的には、公益目的事業会計、収益事業等会計、法人会計など「会計区分ごと」の収益と費用を確定する前に、まず「法人全体」の収益と費用を確定することを優先して行います。これは、いったん会計区分ごとの損益を確定することは後回しにして、決算整理(次の@からEまでの処理)を行って法人全体の収益と費用を確定させておいてから、あらためて共通費用の配賦(Fの処理)をして会計区分ごとの収益と費用を確定するということです。

 

 共通費用の配賦の方法は、法人によって大きな違いがありますから、イ)仕訳ごとに共通費用の配賦も行う、ロ)個々の仕訳で配賦せず1か月分まとめて配賦を行う、ハ)個々の仕訳で配賦せず1年分まとめて配賦を行うなどの様々です。仕訳の都度、共通費用の配賦を行っているときは、共通費用の配賦(Fの処理)を再度行う必要はありません。

 

 以上の@からFまでの決算処理により、会計区分ごとの収益と費用が確定しますから、ここで初めて会計間の繰入処理(Gの処理、収益事業等から公益目的事業への繰入など)ができるようになります。会計間の繰入処理ができなければ、法人税等の算定(Hの処理)ができません。
 この手順は、どのような会計ソフトを使っても同じであり、正しい20年基準の決算をするための鉄則だと考えてください。